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母指球神話? それ本当ですか?
2026年5月23日
日本では母指球神話が長ーく伝えられていますが。
母指球を踏めとか 母指球を軸にまわれ
それって本当ですか?
よく格闘技では伝説のごとく語り続けられている
母指球伝説、解剖学や運動学 構造的に考察すると
1. 骨格構造的な理由:本来の重心線から外れる
足の骨格を後ろから見ると、脛(すね)の骨(脛骨)は踵骨(かかとの骨)の真上に位置しています。
- 本来の軸: 体重を最も効率よく支えられるのは「かかと(立方骨周辺)」から「足の外側ライン(ウナ)」にかけてです。
- 母指球に偏ると: 内側に荷重が逃げてしまい、足のアーチが潰れる「過回内(オーバープロネーション)」を引き起こしやすくなります。
2. 筋肉の連動的な理由:ブレーキ筋(大腿四頭筋)が優位になる
母指球(足の内側・親指側)を強く踏み込もうとすると、身体は以下のような反応を起こしやすくなります。
- ブレーキの作動: 太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に力が入りやすくなります。大腿四頭筋は「身体を止める(ブレーキ)」ための筋肉であるため、動きのスピードやしなやかさが失われます。
- 推進力の低下: 本来、格闘技やスポーツの移動で使いたい「お尻(臀筋)」や「太ももの裏(ハムストリングス)」といったアクセル筋(推進力を生む筋肉)との連動が途切れてしまいます。
3. 関節への負担:膝や股関節のねじれを生む
母指球を軸にして無理に回転したり、過剰に踏み込んだりすると、運動連鎖によって上部の関節に歪みが生じます。
- ニーイン(Knee-in): つま先に対して膝が内側に入り込む動きになりやすく、前十字靭帯(ACL)の損傷や半月板のトラブルのリスクが高まります。
- エネルギーのロス: 軸がブレるため、パンチやキックの威力を地面から拳や足へ伝える際の「地面反力」が途中で逃げてしまいます。
4. 的確な軸の概念:「(踵のやや前)」や「外側ライン」第4,5中足骨等頭部周囲
近年の運動科学の再考では、母指球ではなく「(脛骨の直下、かかとのやや前側)」や、足の外側アーチ(第4,5中足骨頭周囲)を意識する方が、体幹(インナーマッスル)と繋がりやすく、素早く力強い動きができるとされています。